TOPへ

補聴器外来

補聴器外来について

補聴器外来について近頃聞こえにくい、問い返しが多い、テレビの音が聞こえないといった難聴に関するお悩みをもつ方でもきちんとご自身の耳に適合した補聴器を使用することによって、以前の明瞭な音を取り戻せる可能性があります。当院は県内のクリニックレベルではほとんど備えていない「補聴器適合検査」が可能な施設として、聞こえに関するお悩みにお応えしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
補聴器は、精密な機器で、市販のものをそのまま使用するのではなく、患者様それぞれの聞こえ具合にあわせて機種を選択し、その上さらに聴き取りにくい音域などに合わせ、微調整して使用する必要がある医療機器です。
そのため、販売事業者も営業所ごとに都道府県知事などに届出が必要な厳しい条件があります。当院では、こうした専門事業者と連携し、月のうち10日ほど補聴器の専門家が院内に滞在し、聞こえのお悩みに対応する補聴器外来を行っています(予約制です)。
当院の補聴器外来は、すべて健康保険適用で診療、検査が可能です。また、ご本人に適合する機種の提案などからご購入、購入後のアフターフォローまで一貫して行うことが可能です。
難聴の程度によっては、聴覚身体障害者に該当する場合もあり補助金制度が適用されることもあります。

通販などで簡単に購入可能な集音器と補聴器は異なります

補聴器は、その人にあった聞こえ具合に調整しないと、かえって耳を痛めてしまう可能性があります。そのため、医療機器の中でも、管理医療機器クラスⅡに分類されています。
患者様それぞれに、聞こえにくい周波数帯などがあり、それに合わせた調整を行っていない補聴器では、正しい効果を得ることができません。必ず患者様ごとに調整が必要です。
また、よく通販などで集音器や助聴器という名称で販売しているものがありますが、こちらは患者様ごとの調整ができない、管理医療機器として認可されていないものですので、補聴器ではありません。

補聴器相談医による補聴器外来

当院では、補聴器相談医の資格を持った院長が、補聴器の機種選定から、使いこなしまでの相談にのっております。 補聴器相談医とは、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の専門医資格をもち、同学会の福祉医療・成人老年委員会が作成する講習をすべて履修して初めて認定される、難聴によるコミュニケーション障害に悩む方が適切な補聴器を選択し、使用できるようにするために重要な役割を果たしています。
また、障害者総合支援法による身体障害者認定に該当すると診断された場合は、身体障害者診断書や意見書等の作成についても相談にのっております。

医師紹介

言語聴覚士による補聴器外来

当院では済生会吉備病院と連携して、言語聴覚士の先生が週に1度来て下さっています。言語聴覚士が補聴器の相談に入ったり、聞こえの検査を行ったりしております。補聴器相談に関しては、補聴器相談医と言語聴覚士、補聴器販売専門店の3者一体で皆さんの補聴器装用をバックアップしています。


補聴器外来の受診をお勧めする方

聴くこと、聴こえることに何らかの問題が起こり、耳鼻咽喉科を受診された場合、精密検査を行います。精密検査によって補聴器によるサポートが必要と診断された方が対象となります。以下のような症状がある場合や、聴覚の身体障害者認定をお考えの方は当院にご相談ください。

  • 会話中に、聞き間違えることが多くなってきた。
  • 聞き返して、同じことをくりかえしてもらう回数が増えてきた。
  • 人がしゃべっていることはわかるが、意味が聞き取れないことが増えてきた。
  • 耳鳴りで人の声や虫の鳴き声などが聞こえにくくなってきた。
  • 周りの人からテレビの音量を下げてほしいと言われるようになってきた。

など


補聴器の相談の流れ

1診断・検査

耳に細い管を入れる内視鏡検査や顕微鏡検査で、耳垢や中耳炎などが難聴の原因となっていないかを確認します。その後純音聴力検査を行い補聴器が使えるかどうか確認します。

2補聴器相談・試聴

言葉の中身を理解できているかを評価し、補聴器をつけた際に効果を得られるか、補聴器による補正後の効果がどの程度かを調べるために、日本語の単音節語や数字一桁の音などを用いる語音聴力検査を行います。また、どれくらいの音の大きさまで許容できるかという検査も行います。大きな音を入れることは簡単ですが、その大きさが許容できない大きさだと使用できないためです。

3補聴器の選択・試着

認定補聴器技能者に立ち会いいただいて、使用する日常シーンや主な目的などをお訊きし、補聴器の選定を行います。患者様の可聴域などにあわせたフィッティング・調整を行った上で、視聴器を貸し出してお試しいただきます。その際装用の方法なども丁寧に指導します。

4補聴器の点検・調整

患者様向けに調整した補聴器を実際に1~2週間貸し出しいたします。その後、再度ご来院いただき、使用感やどの程度聞こえるようになったかなどをお訊きし、希望により機種変更や聞こえ具合の再調整などを繰り返し、満足いただけるまでお試しいただきます。

5補聴器の選択・製作

満足いただける機種やフィッティングが見つかったら、機種を決定します。その後実際の使用環境を想定した言葉の聴き取り検査、補聴器適合検査などを行い、聞こえ方を総合的に評価し、さらに調整を行います。どうしても満足を得られない場合キャンセルも可能です。

6補聴器のフィッティング

補聴器は個々の患者様にカスタマイズして製作しますので、お渡しまで少し時間がかかります。完成したら、さらに最後の調整を行ってお引き渡しとなります。その際には、装用の練習、操作説明、クリーニング等ケアの仕方などについて丁寧に指導いたします。

7アフターケア

補聴器は、販売して終了ではなく、アフターケアを小まめに行って、ご自身に最適のパートナーとして育てていくことも大切です。実際の生活でご使用いただき、その中で気になることや新たな希望など何かありましたら、いつでも対応いたしますのでご相談ください。


当院の補聴器外来について

補聴器というと、どうしても「年寄りくさい」と敬遠される方が多いです。

ヒトが聞こえるということは2つの意味があります。動物として「音が聞こえる」ということと、ヒトとして「会話が成り立つ」ということです。この「会話が成り立つ」ということが普段の生活ではとても大切なことだと思います。人間の聴力は音を聞く能力と同時に語音明瞭度という言葉を理解する能力が落ちてしまいます。この語音明瞭度の低下は補聴器では解決できない問題です。時に補聴器を装用した方から「音が聞こえていても、何を話しているのかわからない」という話を聞きます。これは、音を聞く能力は補聴器で補えたのですが、語音明瞭度が低下しているためで、補聴器を装用するタイミングが遅かった方に多いケースです。そうならないために当院では、聴力検査の他に語音明瞭度検査も行っています。軽度難聴の方が語音明瞭度検査を行うと、通常会話の音量だと明瞭度が低いのに、大きな音量だと明瞭度がとても良いケースがあります。こういう方が補聴器を装用すると、かなり会話が楽になったと喜ばれることが多いです。ただ、残念なことに「まだ聞こえているから大丈夫」と補聴器をお断りになる方もいらっしゃります。

難聴はご自身では気づきにくいものです。検査目的で受診された際は、軽い気持ちで良いので補聴器外来を体験頂くことをお勧めします。当院では補聴器を無料でお貸出しするので、生活の色んな場面で試してください。納得した方が補聴器を購入されます。納得できるまで再調整を繰り返します。何度も再調整をした結果、「やはり不要」と考えた時には遠慮なく申し出てください。対面販売されると「今まで色々してくれたので申し訳ない」と本心では納得していないのに購入してしまうかもしれません。当院ではそのような事にならないように、医師に「補聴器は不要」と言って頂ければ補聴器の業者と対面せずに補聴器を返却できるようにしています。そのような体制を整えていますので、当院で補聴器を購入した方は、9割以上の方がご満足して装用しております。

先日、黒色の耳穴型の補聴器を購入された方がいらっしゃりました。若い方がよく耳にはめているイヤホンのようでした。補聴器もおしゃれになってきています。

また、平成30年より補聴器の購入者が医療費控除を受けることが出来ました。以前より補聴器が高額と言われていましたが、多少ですが購入しやすくなっております。

補聴器購入者が医療費控除を受けるために|一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 (jibika.or.jp)