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舌下免疫療法

アレルゲン免疫療法とは
~アレルギー性鼻炎に効果の高い治療法~

日本では、2019年の調査では49.2%の人が花粉症やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎にかかっているという報告があり、年々増加傾向にあります。
アレルギー性鼻炎は、体質という問題もあり、自然に治癒していくことがありません。そのため、アレルギー体質の改善も含めてこれまで様々な治療法が研究されてきました。
その中でも、アレルギーを起こす物質であるアレルゲンに対して免疫をつけていく免疫療法が注目されています。なかでも減感作療法(げんかんさりょうほう)は、アレルゲンを少しずつ体内に投与して、徐々にアレルギー物質に対して身体を慣らしていくという治療法で、古くから行われており、治療実績も積み重ねています。
治療には3年以上と時間はかかりますが、アレルギーが出なくなったという報告も多く、完治しなくても症状が大幅に緩和するため、抗アレルギー薬の使用も減らすことが可能です。
アレルギーがあると生活の質が大きく低下しますので、お早めに当院までご相談ください。


アレルゲン免疫療法の種類

皮下免疫療法

皮下免疫療法では、アレルギー物質のエキスを直接皮下に注射していきます。少量から始めますが、重いアレルギー反応の副作用が起こることが欠点です。具体的には、週に1度の通院を3カ月ほど続けます。その後、2週間に1度の通院を2カ月。以降は1カ月に1度の通院が必要になります。当院では行っておりません。

舌下免疫療法

注射の療法による副作用の危険性を避けるため開発されたのが舌下免疫療法で、アレルゲンとなる物質が配合された治療薬を舌の裏に含み、しばらくそのままにしてから飲み込む治療法です。これを毎日続けて行い、だんだんアレルゲンの含有量を増やしていきます。
スギ花粉症とダニアレルギーが健康保険適用の対象となっています。当院の医師は、治験の段階からこの治療薬には携わっておりました。なので、市販された時点で相当数の患者さんを診察しています。この薬の効果、副作用、また副作用が出た時の対処方法などを熟知した上で患者さんに勧めておりますので、安心してご相談ください。


舌下免疫療法とは

対象はスギ花粉アレルギーとダニアレルギー(ハウスダストも含みます)の方に限られますが、長い歴史を持つ免疫療法の中でも比較的新しい治療法になります。
治療法は、ご自宅で毎日1度抗原のエキスが含まれる錠剤を舌の下(舌の裏)にしばらく含んだ後飲み込むだけという簡単なもので、皮下免疫法と違って通院の必要がないこと、重大な副作用が少ないことがメリットです。舌の下に1分間保持できるようになる5歳以上が対象となっており、当院でも積極的にお勧めしています。


スギ花粉症のアレルギー舌下免疫療法

スギ花粉の舌下免疫法の治療薬は、2014年に厚生労働省から認可され発売が開始されました。その後、2018年にさらに扱いの簡単な錠剤タイプのシダキュアという薬が開発されて、現在ではこのシダキュアがスギ花粉症の舌下錠として使用されています。

こんな患者様が服用しています

当院では、以下のような方がシダキュアによる舌下免疫法の治療を受けています。

  • 対症療法の薬を継続して飲み続けたくない、減らしていきたいという方。
  • 対症療法の薬で眠気が出てしまう方。
  • 対症療法の薬では、十分なアレルギー症状軽減の効果が得られない方。

こんな患者様にもお勧めです

  • 数年後に受験期を迎えるため、早めに症状を改善したいと考えている10~16歳ぐらいの方。
  • 現在はまだ子作りの予定はないが、数年後には妊娠や授乳を希望している方。

治療費について

スギ花粉症の舌下免疫療法は健康保険適用となります。目安として3割負担の方では、1か月ごとの診察料を含め、2,800円程度になります。

対象年齢

シダキュアによるスギ花粉アレルギーの舌下免疫療法による治療は、5歳から65歳までの患者様が対象となります。

治療期間

舌下免疫療法はじっくりと構えて治療を行う必要があります。最初は3年間継続して治療することを目標に開始し、定期的な診療時に薬の効果を確認しながら治療を続けていきます。長く続けるほど効果も長くなりますので、3年以上継続することをお勧めしています。「最低で3年間、様子を見て出来るだけ長く」が望ましい治療となります。3年頑張った後に薬を止めたとして、止めてから3~6年効果が持続すると言われています。更に、4年頑張ったら4~8年。5年頑張れば5~10年持続すると言われています。

治療による副作用・リスクについて

シダキュアによる舌下免疫療法の重度の副作用の報告は、比較的少ない方です。
重大な副作用として想定されるのはショック、アナフィラキシーですが、非常に稀です。
一般的な副作用としては、口の中の腫れ、むくみ、かゆみ、口内炎などがあります。これらは、治療開始1か月以内にあらわれることが多くなっています。

治療の流れ

1回目の治療

まずは医療機関で診断・治療

1回目の治療は院内で行います。まずは、舌下免疫療法に対しての知識の確認目的でチェックシートを記載していただきます。その後診察を行い、舌下に置く練習もかねて診察室で舌下錠を服用していただきます。副作用があらわれないかを観察するため、30分程度待合室で待機していただき副作用などが起きていないか診察します。問題のないことを確認した後に帰宅していただきます。この一連の流れでご来院からお会計まで、およそ1時間程度院内に滞在していただきます。ご希望があれば、ワンタッチコールシステムをお渡ししますので、ご自身の車や近くのドラッグストアで時間を過ごしてください。
また、舌下錠と同時に抗アレルギー薬などのご希望があった場合は、一度薬局で薬を貰って頂いてから院内で舌下錠を服用して頂くので、1時間半ほど必要になります。
準備の関係で、服用開始日は日時のご予約をいただいております。1回目は長い滞在時間が必要になりますので、お時間に余裕のある日をご予約ください。

その後の通院

初回の服用から1週間後にご来院いただき、副作用がでていないかなどお身体の状態を確認させていただきます。
その後、ご来院の頻度は2週間から4週間に1度の通院をお願いしております。舌下錠の内服状況を見ながら処方日数を考慮しております。

2回目以降の治療

それ以降は、ご自宅で

2回目以降はご自宅で朝の決まった時間に服用していただきます。副作用の出る時期は開始して1カ月以内がほとんどです。開始1カ月間は、何かあった時に当院に相談できるようなタイミングである朝に服用していただくことをお勧めしております。また、朝に服用することをルールにしておくと、朝内服していないことをその日のうちに気が付けば、その時点で服用することが出来ます。逆に副作用が出ずに1カ月を過ぎれば1日の中でいつ服用しても構いません。1カ月間真面目に服用していれば、1日くらい忘れても副作用が出る可能性はかなり低いからです。
気になる症状があらわれた場合や、心配なことがあれば遠慮なくご相談ください。


ダニのアレルギー舌下免疫療法

ダニアレルギーの舌下免疫療法用治療薬は、日本ではスギ花粉用治療薬に遅れること1年、2015年に承認され、発売が開始されています。薬は2種類ありますが、当院では「ミティキュア」を処方しております。ダニアレルギーのある患者様にお勧めの薬です。

こんな患者様が服用しています

以下のようなお悩みのあるダニアレルギーの患者様に適した治療方法です。

  • 症状を軽減する薬を長期間飲みたくない、または減薬したい。
  • 症状を軽減する薬を飲むと眠くなる。
  • 重症のアレルギーで内服薬では症状が治まらない。

こんな患者様にもお勧めです

  • 近い将来、受験期を迎えるため、それ以前にアレルギー症状を低減しておきたい。
  • 数年後には子作りを予定しているので、あらかじめアレルギー症状を治療しておきたい。

治療費について

ミティキュアを使用したダニアレルギーの舌下免疫療法は健康保険適用の治療です。目安として、3割負担の方で1か月の診療費を含めて2500円程度になります。

対象年齢

ミティキュアによってダニアレルギーの舌下免疫治療を行うことができる対象年齢は5歳~65歳の方です。

治療期間

まずは3年を目途に治療を開始します。定期的に効果を確認しながら治療を継続します。「最低で3年間、様子を見て出来るだけ長く」が望ましい治療となります。3年頑張った後に薬を止めたとして、止めてから3~6年効果が持続すると言われています。更に、4年頑張ったら4~8年。5年頑張れば5~10年持続すると言われています。

治療による副作用・リスクについて

ミティキュアによるダニアレルギーの舌下免疫治療に関する重大な副作用には、ショック、アナフィラキシーがありますが、大変稀です。
その他の軽度の副作用については、シダキュアよりやや多めです。主な症状としては、口内炎、口腔内のかゆみ、むくみなどが挙げられます。これらはいずれも治療開始1か月以内に発現することが多く、治療が続くにつれ減っていく傾向にあります。

治療の流れ

1回目の治療

まずは医療機関で診断・治療

1回目の治療は院内で行います。まずは、舌下免疫療法に対しての知識の確認目的でチェックシートを記載していただきます。その後診察を行い、舌下に置く練習もかねて診察室で舌下錠を服用していただきます。副作用があらわれないかを観察するため、30分程度待合室で待機していただき副作用などが起きていないか診察します。問題のないことを確認した後に帰宅していただきます。この一連の流れでご来院からお会計まで、およそ1時間程度院内に滞在していただきます。ご希望があれば、ワンタッチコールシステムをお渡ししますので、ご自身の車や近くのドラッグストアで時間を過ごしてください。
また、舌下錠と同時に抗アレルギー薬などのご希望があった場合は、一度薬局で薬を貰って頂いてから院内で舌下錠を服用して頂くので、1時間半ほど必要になります。
準備の関係で、服用開始日は日時のご予約をいただいております。1回目は長い滞在時間が必要になりますので、お時間に余裕のある日をご予約ください。

その後の通院

初回の服用から1週間後にご来院いただき、副作用がでていないかなどお身体の状態を確認させていただきます。
その後、ご来院の頻度は2週間から4週間に1度の通院をお願いしております。舌下錠の内服状況を見ながら処方日数を考慮しております。

2回目以降の治療

2回目以降はご自宅で朝の決まった時間に服用していただきます。副作用の出る時期は開始して1カ月以内がほとんどです。開始1カ月間は、何かあった時に当院に相談できるようなタイミングである朝に服用していただくことをお勧めしております。また、朝に服用することをルールにしておくと、朝服用していないことをその日のうちに気が付けば、その時点で服用することが出来ます。逆に副作用が出ずに1カ月を過ぎれば1日の中でいつ服用しても構いません。1カ月間真面目に服用していれば、1日くらい忘れても効果が減る可能性は低いですし、副作用が出る可能性も低いからです。
気になる症状があらわれた場合や、心配なことがあれば遠慮なくご相談ください。