TOPへ

アレルギー性鼻炎のレーザー治療

アレルギー性鼻炎のレーザー治療とは

鼻の粘膜のひだに点状にレーザーを照射し、粘膜の一部を繊維化することによって、アレルゲンへの反応を低下させたり、腫れを治めて空気の通り道を拡げたりする手術です。くしゃみ、鼻水といった症状が低減し、特に鼻詰まりを減らすことが期待されます。入院の必要はなく、日帰りで行うことができます。
薬物治療の効果がなかなか得られない、複数のアレルギーでずっと薬を飲み続けるのがつらいといった方にお勧めです。
治療効果は1回目で半年ほど、繰り返し治療するほど効果時間は長くなります。

アレルギー性鼻炎


レーザー治療をお勧めする方

レーザー治療をお勧めする方
  • 内服薬や点鼻薬の効き目があまり得られない
  • 内服で、眠気やのどの渇きなどの副作用が出る
  • いつも鼻が詰まって口呼吸になっている
  • 鼻詰まりが原因で、睡眠時無呼吸やいびきなどの症状がある
  • CPAPがうまく使えない
  • 市販の点鼻薬を使い続けないと鼻が通らない
  • 鼻声が続くのが気になる
  • 運転や操縦など、職業上の問題で、内服薬の眠気が気になる
  • 花粉症で受験や就職活動が不安
  • 不規則な勤務で決まった時間に薬を飲みにくい
  • 多忙なので、花粉が飛散する時期までに病院で診察してもらう時間がとれない
  • 花粉症が受験や就職活動の妨げになるのが不安

など


レーザー治療のメリット・デメリット

メリット

  • 1回の治療で6か月程度効果が持続するためその年の飛散シーズンは快適に過ごせる
  • 健康保険が適用になる
  • 内服薬と異なり、眠気や口渇などの副作用がない
  • 頻繁な通院や毎日の服薬が不要になる

デメリット

  • 1回の治療では、効果の持続は半年から1年程度(複数回の治療では完治例も)
  • 花粉症の場合、花粉の飛散時期には施術を受けることができない
  • 効果は半年~1年
  • 1月半ばから5月末頃までに時期が限定される(スギ花粉、ヒノキ花粉)
  • レーザー治療直後には、一時的に鼻詰まりや鼻出血などが起こる可能性がある(いずれも自然に治ります)

レーザー治療後の合併症

  • 施術後、一時的に鼻水が増えることがあります。通常1週間程度で治まります
  • 施術当日、治療の傷から若干の鼻出血が見られることがありますが、放置しても翌日には治まります

なお、レーザー治療によって嗅覚障害となることはありません。


レーザー治療の注意点

  • アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療を希望される場合は、事前にアレルゲン検査が必要となります。他院でアレルギー検査を済ませている方はデータをお持ちください。
  • 肥厚性鼻炎、薬剤性鼻炎などの方は、まず薬物治療を行い、様子を見た後にレーザー治療を実施できます。他院で治療を受けていた方は採血結果やお薬手帳等のデータをお持ちください。
  • 現在、鼻炎の症状が出ている方は、まず鼻炎の治療を行い、症状が落ちついてからレーザー治療を行う方が効果的です。薬剤性鼻炎などでの鼻詰まりの症状が強い方も同様です。
  • 出血しやすい方、血液をサラサラにする抗凝固薬、抗血小板薬を服用されている方はレーザー治療ができません。休薬が可能であれば、数日休薬していただければ施術できます。
  • 鼻腔が狭すぎる、または鼻中隔が弯曲していてレーザー装置を挿入できない場合、レーザー治療ができません。必要な場合はそれらを矯正するための手術が可能な施設を紹介します。
  • 現在治療中または経過観察中の疾患、特に心臓病、高血圧症、緑内障、前立腺肥大などや、麻酔薬に対するアレルギーがある方は必ず事前にお申し出ください。
  • 予約の変更・キャンセルなどは必ず事前にお電話にてお申し出ください。
  • 施術後1週間程度は激しい運動、スポーツなどをお控えください。
  • レーザーによるアレルギー性鼻炎の治療は12歳以上であれば行うことができます。ただし、若い方ほど新陳代謝が早いため、効果の持続が短い傾向があります。

レーザー治療を始めるタイミング(時期)

花粉症など、季節性アレルギーの場合花粉の飛散時期は、レーザー治療を行うことで、かえって炎症を悪化させてしまう可能性があるため、飛散時期を避けた時期に治療を行うことになります。たとえばスギやヒノキ花粉の場合は飛散時期が1月半ばから5月いっぱい頃ですので、10~11月ごろの施術が理想的です。
一方、ハウスダスト(ダニ)アレルギーなど通年性の場合は、一年中いつでも施術を行っております。ただし、施術前に1~2週間抗アレルギー薬を服用していただき、炎症をコントロールしてからの施術となります。


レーザー治療の流れ

1か月前から1週間前

事前にアレルギー検査を受けていただき、アレルゲンを特定します。

1週間前から手術前日

アレルギー検査の結果を確認し、アレルギーのコントロールと鼻出血防止のため、抗アレルギー薬を手術当日まで服用していただきます。

手術当日

血圧測定後、異常がなければ、鼻の中に麻酔薬を浸したガーゼを入れて麻酔を行い15分程度待機していただきます。
麻酔が効いていることを確認して、鼻腔内の下鼻甲介という場所の粘膜にレーザー照射を行います。所用時間は5~10分程度です。
出血がないか15分ほど待って頂きます。止血確認後、ご帰宅となります。

手術から1カ月

ご来院いただき、施術箇所の状態を確認します。施術箇所は瘡蓋(かさぶた)ができやすいため、薬液をしみこませたガーゼによって鼻腔内を清掃します。それ以外の問題がなければ治療は完了です。ただし、術後2週間は鼻出血などの予防措置として抗アレルギー薬を内服していただきます。


レーザー治療のよくある質問

実際に手術を受けられる患者様には、事前にさらに詳細な注意事項などを説明いたします。ここには、その中でも代表的なものをQ&A型式で挙げておきますが、その他にも疑問に思う点がありましたら、ご説明の際に遠慮なくご質問ください。

痛みが心配です

術前に、まずは鼻の粘膜の腫れを治めるスプレーを噴霧した上で、麻酔薬をしみこませたガーゼを鼻腔に入れ15分間そのままにして麻酔が完全に効いたところでレーザー照射しますので、痛みを感じることはありません。痛みがあれば仰ってください。

手術にはどのぐらいの時間がかかりますか?

麻酔などの前処理に20分程度、レーザー照射は5~10分程度、術後に15~20分程度術後出血の無いことを確認させて頂いた上でご帰宅となります。都合1時間程度とお考えください。

初診ですぐに治療可能でしょうか?

まずはアレルギーが何によって起こっているか、レーザー治療が適用できるかなどについて調べる必要がありますので、初診の際は、診察と検査などを行います。また、現在鼻炎の症状が強く出ているケースなどでは、いったん腫れを治めてから照射する必要がありますので、抗アレルギー薬などによる炎症の治療を優先します。副鼻腔炎の場合も、同様にまず炎症をコントロールしてからの治療となります。そのため初診当日の治療はできかねます。

レーザー治療は何歳から可能でしょうか? 手術のできない人はいますか?

手術中にじっとしていられないお子様は手術を行うことができません。個人差はありますが、当院では12歳以上から治療を行っております。また、特に上限は設けておらず、健康な方なら何歳でも施術可能です。妊娠中の方はそれぞれの状態によりますのでご相談ください。授乳中は特に問題なく施術できます。
妊娠中の方はそれぞれの状態によりますのでご相談ください。授乳中は特に問題なく施術できます。
その他、現在鼻炎が強い、副鼻腔炎の症状が強い、鼻中隔弯曲が激しい、出血傾向が高い、血液をサラサラにする薬が休薬できない方、喘息の方などは施術できないか、または炎症の治療優先になります。

レーザー治療をすれば、内服薬は飲まなくて済みますか?

人によって異なり、まったく症状が出なくなることもありますが、花粉症によるアレルギー性鼻炎の場合は、多くの方では全シーズンを通してまったく薬をのまないで過ごすことは難しく、飛散の少ない時期は薬なし、飛散のピーク時期のみ服薬といったケースが多くなっています。ただし、ピークの時期でもレーザー治療を行っていなかった時より症状は軽く済みます。