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扁桃炎

扁桃炎とは

口を大きく開けたとき、のどの奥の左右に見える口蓋扁桃が、細菌やウイルスなどに感染して腫れてしまうのが扁桃炎です。扁桃はリンパ組織で、病原体がそれより奥へ行かないよう防疫の役割を果たしていますが、何らかの理由で体力が落ちたときに自身が感染して起こる、子どもや若い方に多い疾患です。

小児の扁桃炎で注意すべきこと

扁桃炎の原因となる細菌の一つが溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)です。感染すると、稀にではありますが、劇症型となって、腎炎、心内膜炎など多臓器に不全を起こして生命にかかわるようなケースもあり注意が必要です。治療は抗生剤の内服で行います。症状は内服をはじめてすぐに改善しますが、しっかりと菌を退治しきらないと合併症の危険性がありますので、医師の指示に従って7~10日服用を続けてください。


扁桃炎の症状

  • のどが痛む
  • 高熱を発している
  • 耳が痛む
  • 飲み込むときに痛み(嚥下痛)があって、食べ物を飲み込めない
  • 全身の倦怠感

など

扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍

急性扁桃炎が悪化した場合、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍に移行することがあります。扁桃周囲炎は口蓋扁桃の周辺に炎症が及んだ状態で、扁桃周囲膿瘍は扁桃の外側に膿がこびりついて、白くみえる状態です。どちらの場合も、のどの強い痛みや強い嚥下痛、口の開けにくさ、耳痛などの症状があらわれます。


扁桃炎の治療

主に薬物治療を行います。のどの炎症や痛みに対しては抗炎症薬、細菌感染がはっきりしている場合には抗菌薬を処方します。また、通院にてのどに薬剤を噴霧し、潤いを与えるネブライザー治療を行います。
自宅では、お薬の服用とともに、安静に暮らし、十分な睡眠を取り、やわらかく食べやすいものなどで栄養補給もしっかり行ってください。室内は乾燥しないように、加湿器などを使ってください。なお、喫煙者も治るまでは禁煙してください。
炎症が激しい場合には、外来で抗生剤の点滴を行うことがあります。さらに食事が摂れない場合や、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍などの場合は、入院を検討することもあります。扁桃周囲膿瘍の場合は、注射器で腫れている部分の膿を吸い出すことや、切開して排膿することもあります。
年に何度も急性扁桃炎を繰り返す習慣性扁桃炎になっている場合や、扁桃周囲膿瘍を頻発するようなケースでは、扁桃の摘出をお勧めしています。その場合、連携する病院を紹介しています。